東大女子の戯言

仕事、子育て、婚活、副業、思ったことを徒然と。

医学部入試の不正問題は、医局という硬直した組織に起因しているのではないか。

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東京医科大学を皮切りに、医学部受験において女性が不当な扱いを受けていた事例が明るみになっている。

 

先般も順天堂大学が同様に女子受験生は一律で減点していたことが発覚した。

 

1.「女性はコミュ力が高いから減点」という呆れた言い訳

 

女子受験生を一律で減点していた理由は、「女子が男子よりも精神的な成熟が早く、受験時はコミュニケーション能力も高い傾向にあるが、入学後はその差が解消されるため補正を行う必要があった」ためと説明している。

 

はて、コミュケーション能力の高さと受験にいったい何の関係があるのだろう。女子受験生については面接の点数を減らしたということなのだろうか。

 

詳細を見たところ、「過去2年間で1次試験では117人、2次試験では48人が不当に不合格になった」とある。

 

1次試験は英語、数学、理科(2科目)の3教科4科目であるから面接は含まれない。

 

コミュニケーション能力の高さがなんだって?

 

筆記試験にコミュニケーション能力など全く無関係だろう。何の言い訳にもなっていない。

 


2.女性受験生を不利に扱った本当の理由は医局という制度

 

医学部における大学とは、他学部のように純粋に学問を学ぶ、もしくは研究を行う場だけを意味していない。

 

医学部以外であれば、大学に入学して様々な学びを得た後に、官僚や民間企業などで働くか、研究の道に進むか等、大学にしばられない進路が数多に用意されている。

 

しかし、医学部の場合は、入学した大学は就職先とセットになる。卒業したら通常は出身大学の医局に属することとなり、生涯、その医局との付き合いが続く。

 

医局の命令に従って、医局の系列病院を数年単位で異動する人生を歩むことになる。医局における上下関係は絶対であるから、教授に気に入られるように常に気を張っていなければならない。

 

なお医師が結婚式を挙げる際には、教授にお礼として20万円くらい包むのが相場なのだそうだ。お祝いされる方が貰いたいものだが・・・。

 


3.医師は「金を稼ぐ職業」としては最高

 

もちろん、「医局になんて縛られたくない!」という医師もいるが、その道は険しいようだ。医局の異動というものはないから、組織から離れることはアウトローを意味する。

 

アウトローになるとどうなるのか。

 

医師であれば食いっぱぐれることはない。

 


慢性的に医師不足ではあるから、当直のアルバイトや、クリニックのアルバイトで稼ぐこともできる。

 

そういったアルバイトで1日15万円ほど稼げると聞くから、他業種からすると羨ましい限りだ。週5日研究、週1日アルバイトという生活でも、月60万円は稼げる計算になる。(ここだけ聞くと本当にうらやましい限りだが…)

 

 

一方で、医師達の間では、アルバイトで生きている医師は下に見られる風潮があるそうだ。また若くて鋭気がみなぎる医師にとっては、難易度が高くない症例を見るだけの往診は退屈きわまりないだろう。

 

 

難易度が高いものに挑戦し、同僚と切磋琢磨し、より己の能力を高めたい欲求とは誰しもが持っているだろう。「簡単に稼ぐことはできる」というセーフティーネットがあるならば、尚更のことだ。

 

(他業種からすると、「簡単に稼ぐことはできる」の難易度が高いわけだが・・・)

 


4.医局にとって都合が良いのは男性医師

 

単純に、自分の食い扶持を確保するために医師を続けるのであれば、医局に捕らわれることはない。

 

 

しかし、己の能力を高める欲求を叶えるためには、大学病院に残って医師を続けるしかない。となると医局から離れるわけにはいかないのだ。

 

 

ただし大学病院に残って勤務医として働くのは、体力的に過酷である。日中の業務に加えて、月2回以上は夜勤当直の分担がある。いつ呼び出しがあるか分からないから、ほぼ毎日病院で仮眠をとる医師もいるくらいだ。

 

 

このような状況から、医局に残り続けるのは、体力がある、と同時に妻という内助の功を得た男性医師が多くなってしまう。

 

 

医局が強いている労働環境ゆえに、男性医師が残りやすい構造なわけだが、その結果だけを見て「やっぱり男性医師のほうが使い勝手が良い!入学者は男性を増やそう!」というのが女性を不当に扱う不正入試の本当の理由だろう。

 


5.硬直的な組織は歪みを生む

 

医師は、自分が選んだ大学の医局の中でしか生きることができない。医局間の異動(採用)が可能であるならば、もっと医局は風通しのある組織になるはずだ。わざわざ大学入試で女子受験生を落とす必要もなくなるだろう。

 

 

しかし硬直化した組織を変えることは難しい。外部から切り込んで、少しずつその力を剥がしていくより他ないのだろう。

 

 

永田町も、霞ヶ関も、同じような問題を抱えている。外部から目を見張り、声を上げ続けなければ、歪みは悪化するばかりだ。

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